◆女子プロ野球界“希望の星”加藤優、目指すは“美しすぎる”からの脱却

◇フルスイングを常に心がける

女子プロ野球の埼玉アストライアに期待のルーキー加藤優が入団した。
歌手との二刀流であることに加えて、恵まれたルックスからマスコミの注目も高い。

「大谷翔平選手と、引退された小笠原道大さんです」

加藤に好きなプロ野球選手を尋ねるとこの二人の名前が出た。

大谷は二刀流として自らを追い込んで、ピッチャーとしても野手としても結果を出しているところに惹かれ、
小笠原氏についてはフルスイングが好きだったとその理由を語ってくれた。
また同じ外野手ということで糸井嘉男にも興味があると話していた。

加藤は野球と歌手の二刀流を目指し、プレースタイルでは常にフルスイングすることを心掛けている。
そういう点では、大谷や小笠原氏の影響を受けているのだろう。

しかし歌手との二刀流に関しては、プロ野球の入団と同時に事務所を退所（現在も加藤の支援は行っている）しているため、
チームのイベントなどで歌うことはあっても、ライブ活動や新たなCD発売などの予定はなく「Superflyさんや絢香さんが目標」という歌手活動はひとまず封印した。

「ダッシュがキツイと言われてたので、何とか乗り越えて良かったです」

先月23日に行われたキャンプ初日が終わると、加藤はホッとした表情で振り返った。

練習後あるいは、練習のない日には、チームの顔でありキャプテンである川端友紀（ヤクルト川端慎吾の実妹）とともに、
チームと女子プロ野球の広告塔として、精力的な広報活動に勤しむ毎日を送っている。
その川端からはトレーニング面などでアドバイスを貰っている。

また球団広報によると他の選手も「加藤が取材を受けてくれることで、
お客さんやマスコミの方が球場に来てくれるのは私たちにとってもチャンスだと捉えている選手が多い」そうだ。

◇1年目は試合に出ることが目標

実際加藤には、実業団での経験はもちろん、歌手やタレント活動を行ってきた経歴も手伝い、二十歳とは思えないくらいの落ちつきがある。
本人は「もう慣れました」と笑みを浮かべていたが、会話の狭間に垣間見ることができる「カッコかわいい」ところが魅力ではないだろうか。

「（メディアに）美しすぎると紹介していただけるのは有難いことですが、まだ公式戦は始まってないですし、
試合に出られるかどうかもわかりません。正直、プロの壁は高いです」

加藤の定位置はライト。現在のアストライアは外野手候補が加藤を入れて6、7人もいるため、
紅白戦などで余程結果を出さないとレギュラーの座はもちろん試合出場すら厳しいのが現実だ。
それでも加藤は前を向く。

「今年はとにかくどんな形でもいいので試合に出ることを目標にしています。
そこで結果が出せれば“美しすぎる”を脱却して、プロ野球選手の加藤優として見てもらえると思うので頑張りたいですね」

今の加藤が目指しているのは、真のプロ野球選手になることだ。
そして本人も高校3年生の時に生で見た「ジャパンカップ」がキッカケでプロ野球選手を目指しただけに、
女子プロ野球を広めて、競技の面でも野球女子の人口を増やしたい気持ちがある。それに対しての露出は惜しまない考えだ。

女子プロ野球界に彗星のごとく現れた“希望の星”加藤優の2016年は3月26日わかさスタジアム京都で幕を開ける。

写真：今季はまず試合に出場することが目標だと話す加藤



ベースボールチャンネル 3月3日(木)6時50分
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160303-00010000-baseballc-base